男性のDV被害が深刻化する中で、心身に負担を抱えながらも声を上げられない男たちの苦悩が明らかになっている。
小杉泰貴さん(仮名・48歳)は、一回り下の妻と結婚後、念願の子どもを授かるまで過酷な妊活生活を送り続けた。妻は強い出産願望があったが、婦人科系の病気で妊娠しにくい体質だった。妊娠しやすいタイミングになると、「協力して」と真剣に頼まれ、40代の体に負担を感じながらも協力を続けた。しかし、結果が出ないことに焦る妻の行動はエスカレートしていった。
妻からは「熱湯は精子に悪いからぬるま湯でシャワーを浴びるように」と言われたり、高額な亜鉛サプリを飲まされたりした。最もプレッシャーを感じたのは、「男なら一日3回は射精して!」と言われた瞬間だった。妊活が進む中で、出張と重なると「機会を無駄にしたくない」と妻は同伴を求め、仕事にも支障をきたした。小杉さんは、妊娠を願う一方で、妻への恐怖心を抱いていた。
DVとは認識していなかったが、当時の精神的な負担は大きく、妻との関係が続いていればどうなったか考えたくないという。妊活が成功し、子どもを授かってからは一段落したが、この過酷な経験が心に深く残った。
男性のDV被害に対する認識が進んでいない中で、もし離婚を考える場合、証拠として録音やLINEのスクリーンショットを活用することが有効だと弁護士は語る。親権を求める場合、育児実績や安定した収入を証明すれば、男性でも親権を取ることができる。しかし、モラハラによる慰謝料請求は難しいため、金銭的な利益よりも離れることが重要だとアドバイスされている。
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